難波神社 ~息子・反正天皇による創建、仁徳天皇を祀る神社~
大阪のど真ん中、心斎橋と本町の間ぐらいの御堂筋沿い
オフィス街の中に、デデンと立派な神社があるのをご存じか
その名も、難波神社
かなり大きな鳥居のある立派な神社ですが
仕事だったりデートだったり、現代人は何かと忙しいから
御堂筋をまったり歩くなんてなかなかないでしょう・・・
無意識下では、案外そこに神社があっても誰も振り返らないのかもしれない
あっても、気にもとめないかもしれない
でも!
ぜひ!
参って!!!
そこには、わたしの大好きな仁徳さんがいるから・・・!
(大阪市中央区博労町4-1-3)
***
難波神社とネットで検索すると、難波八阪神社が半分くらい引っかかってくるんですよ
どデカい獅子殿で有名なので、観光地としてはそっちのが有名なのでしょう
(ちなみに、難波八阪神社の記事はコチラ→「難波八阪神社~インパクト日本一の八坂神社」)
でも、難波神社も大変歴史のある神社
ぜひとも注目していただきたい
ご祭神は、姫松が大好きな16代天皇・仁徳さん!
創建は、18代・反正天皇の時代
反正さんが柴籬宮を開いたときに、お父上である仁徳さんを偲んで神社を建てたのが始まり
柴籬宮があったのは、現在の松原市のあたり
なので最初は、仁徳さんも松原の地に祀られていたんです
それが、平安時代の943年に、現在の上本町~四天王寺あたりに遷座され
(その理由はちょっとわからない・・・)
大阪城が築かれたとき(1583年)に、豊臣秀吉から手厚い加護を受けて現在の場所に遷座されました
難波神社は、「難波」と名がつくものの、難波よりも北の心斎橋にエリアにあります
昔は心斎橋のあたりは「上難波」と呼ばれていたので
この頃は「上難波神社」や、あるいは「仁徳天皇社」と称していたそうです
しかも、その頃にはなんと6万坪もの敷地があったんですって!
どんな広さかっていうと
住吉大社の2倍・・・!!
それはそれは広大な神社だったのですが
大坂夏の陣の後、徳川幕府の時代になると、その領地の9割くらい没収されてしまいました
おのれ家康・・・!
あと、素戔嗚尊
こちらは1071年になってから祀られたそうです
なにやら、住吉を訪れた後三条天皇が行幸の途中に夢でお告げをいただいたからだとか
そんな歴史ある難波神社ですが、秀吉さんの時代に建てられた社殿は、1666年に起きた火災で神宝や神輿もろとも燃えてしまい、その後も本殿は度々火災や御堂筋の工事の際に建て替えられてきました
そして近年では1945年、第二次世界大戦の戦火にあって、鳥居と玉垣を残し全焼・・・
おのれアメリカ・・・!
戦後まもなく、1948年に仮宮を建ててお祀りしていたそうですが、1974年に再建され、現在に至ります
これは南の鳥居
この日わたしは堀江から北上して参りました
奥に高いビルが見えて、都会の中の神社だなぁって感じですが
右に見えるごっつい木
写真に収まりきらないこのクスノキは、樹齢およそ600年とのことなので
秀吉さんの時代、難波神社が現在の地へ移されたときからあるということですね・・・!
第二次世界大戦では、この木もいくらかケガはしたそうですが
枯れることなく今でも生きていて、大阪市指定保存樹第一号さんでございます
パワーがあるねぇ!
そしてこちらが本殿
美しいですね◎
仁徳さんが祀られていることから、平穏安寧のご神徳があるといわれています
ストレス社会に生きる現代人・・・
ちょっと都会の中でも足を止めて、日常生活のやすらぎや平穏を祈ろうじゃありませんか・・・
また、素戔嗚尊のご神徳で、厄払いの神社としても有名です♪
本殿左手には、博労稲荷神社という摂社があります
大阪は商売の町ですからね、商売繁盛のお稲荷さんは大人気だったんですよ
江戸時代の昔から船場の豪商たちに崇敬されていて、商売人はこぞって参拝してたとか
もう、難波神社もひっくるめて稲荷社と呼ばれちゃうほど人気だったそうです
今でこそ境内の隅にちんまりある摂社ですが、今でもこのあたりの会社やショップが奉納したのぼりがたくさん
その他は、末社がふたつ
こちらは正門横にある金刀比羅神社
あの、四国にある有名なこんぴらさん
航海安全の神さんとして有名ですが、農業や商業の神さんとしてもご利益があるといわれて、全国的に「こんぴら信仰」が流行ったので、大阪でも祀られたのでしょうか
由緒は不明らしいですが、江戸時代の創建当初に祀られたものと思われています
こちらは、いろんな神さんが祀られている十四柱相殿神社
もともとは数社に分かれていたそうですが、火事やら模様替えやらで、1888年に合体されたそう
そんな難波神社では、いくつか独特な神事があります
わたしはまだお目にかかったことないので写真等なくて申し訳ないのですが
ひとつは6月8日にある菖蒲神事(あやめ祭)
難波神社のご神紋は、花菖蒲
というのも、菖蒲の花は仁徳さんにゆかりのある花なのですよ
体調を崩して寝込んでいた仁徳さんの夢に神さんが現れて
「枕元に菖蒲の花を置いたら治るよ・・・」
と囁いてきたんですって
で、実際その通りにしてみたところ、元気リンリンになりました、という故事があって
それにちなんだご神紋というわけです
また、難波神社が現在の地に移転したとき、老婆が毎年端午の節句に堀江に生える花菖蒲を供えていたという故事も、ご神紋の由来になっているとか
菖蒲の見ごろは5月下旬から6月ごろで、この次期には境内が色とりどりの菖蒲の花で彩られるそうです
菖蒲の花見なんてしたことないから、来年は行ってみなくちゃ!
そして毎年6月8日に、境内で育った花菖蒲を御神前にお供えするのが、菖蒲神事
祭典中、菖蒲を刈り取る所作のある神楽「菖蒲刈り」を二人の巫女さんが舞うそうです♪
(ちなみに、昔はアヤメもハナショウブも厳密には区別されていなかったらしい)
もうひとつは、7月に行われる「氷室祭」
難波神社の夏祭りでございます
この祭の由来は、仁徳さんのお兄さんが狩りの途中に奈良で氷室を見つけ、その氷を仁徳さんに献上したらめっちゃ喜んで、以降仁徳さんがこの氷室の技術を広めたっていう故事
お祀りでは氷が奉納され、そしてその奉納された氷をかちわり氷にして、参拝者にふるまわれるそうです
これを食べたら夏負けしないといわれる縁起物!
もう・・・年々暑さに弱くなっていってるから、あやかりに行こうかしら・・・!(笑)
都会の中の聖地、ぜひ安寧を求め、皆さま難波神社お参りしてみてください♪
2022.10.30 姫松なつき
【参考文献】
●難波神社ホームページ
●tabiyori
「難波神社は仁徳天皇を祀る摂津の総社。かわいい菖蒲のご朱印が人気」
●大阪再発見!
「難波神社」
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