竹之内街道を調べていた際にグーグルマップでみつけた
長曽根ながそね神社

(堺市北区長曽根町3014)

街道沿いではありませんが
寄り道できる距離だったので行ってみました!

こざっぱりした、綺麗な神社です

鳥居から正面に見えるのが、本殿の拝殿です
ほら、雑草ひとつ生えてない!

ものすごく綺麗にされてるのですが
社務所のようなものは見当たりませんでした

御朱印を集めてらっしゃる方はどうすればいいのか・・・
ちょっとわたしにはわかりませんが
ご祭神について書かれた看板には
「長曽根神社管理委員会」の文字があったので
そこの人が掃除したり御朱印用意したりしてるのかな
どこにあるのかわかりませんが(汗)

由緒が書かれた看板などもなく・・・
ネットで調べてみても、創建も由緒も不明のようでした
『堺市史』を参照しても情報を得られなかったと仰る方もいるので
・・・謎ですね

拝殿の扉もピシーッと閉ざされていて
綺麗なのになんだか近寄りがたい雰囲気

横に回りこめば、ちらりと本殿が見えました
朱色があざやか!!

あまりにも綺麗なので最近新しくされたのかなと思えるのですが
2017年に堺市北区が発行した資料には
本殿は1720年の建立とのこと
また、両本殿には木像の狛犬が一対ずつ安置されているそうで
そちらは墨書きから1791年に製作されたことがわかっています

1720年というと、8代将軍徳川吉宗の頃なので、江戸の中期
神社自体がそれより昔からあったのかはわかりませんが
少なくとも江戸時代中期からお祀りされてた神社なのは間違いありません

さて
こちらのご祭神は、八幡神はちまんじん牛頭天王ごずてんのうです

八幡神は、言わずと知れた、
全国津々浦々にある八幡神社の神さんで
15代応神おうじん天皇ですね!
ご神徳としては、農耕の神であり鍛冶の神であり
また、武運の神さんです

牛頭天王という神さんについては
改めて調べたいところなのですが・・・

神仏習合において素戔嗚尊すさのおのみことと同一とされていたり
仏教では祇園精舎の守護神だったり、薬師如来とされていたり
はたまたインドや中国、中東に朝鮮など
いろんな国にも由来する、様々な性格を持った神さん

病気を払う力を持った、除災招福の神さんなんですって

八幡神と牛頭天王の関係はわかりませんが・・・
この神社は長曽根と黒土くろつちという地域の氏神として
信仰されてきたので
昔から人気の神さんだったこの2柱がセレクトされたのかしら・・・?

拝殿の奥に2社並んで建っているのですが
向かって右に八幡神、左に牛頭天王が祀られています
これは、祭神のうち八幡神の方が格上であることを表すそうです

日本では飛鳥時代の頃から、中国から伝わった「左上右下」の
文化があるんですね
なにやら、皇帝が不動の北極星を背に南を向いた場合
日が昇る(東)のが左、日が沈む(西)のが右で
日が昇る方が沈むより尊いことなので
左の方が右よりエライ、と

正面から見たら左右が反転するのでややこしいんですが
神さんたちは、左に八幡神・右に牛頭天王の並びで
我々と対面してくださってるわけです

まぁこの話はここまでにして。

境内には、3つの摂社があります

まず1つめ
本殿の右手前にあるこちら、お稲荷さん

あんまりお稲荷さんっぽくないですけどね・・・
狛犬いるし、鳥居一つだけだし
だけど、ご祭神は稲荷神となっております

2つめ
本殿右奥にある、蛇(巳)神さん

ヘビって、神社でしばしば祀られていますね
白蛇なんかはレアだから縁起がいいとして、
信仰の対象になるんだとか

こちらの蛇神さんには、「大地の神さまです」と書かれてあります

最後は境内の一番奥にある、水神すいじんさん

水の神さんにも色々あるので
具体的なお名前はわかりませんが
「飲料水や灌漑用水などの水を支配する神」という記載がありました

以上が長曽根神社のご紹介なのですが

この、長曽根という地域
なかなか古い歴史ある土地で
古くは平安時代の末頃から、京とのつながりが深い地域だったそうです
1158年に朝廷から石清水八幡宮に発せられた命令の中に
「河内国長曽根荘」との記載があり
つまりはここに、石清水八幡宮極楽寺領の荘園が
営まれていたことになります

荘園!
なんだか遠い昔、中学の歴史の時間に習ったワード・・・(笑)

また、現在の長曽根地域の東の方に
奈良時代から江戸時代にかけての集落である
長曽根遺跡というのがあって、色々発掘調査が行われているとのこと
12~15世紀の寺院跡などが出てきてるんですって
すごいよねぇ、ただの跡地からそんなのがわかるのか・・・

戦国時代には、戦いの最中であっても
この地域にあったとされる善龍寺(現在は廃寺)の中では
「陣取り・放火・乱暴狼藉」を禁じられていたとあって
なかなか力を持った地域であったと推測されます

と、まぁ歴史深い土地なので
長曽根神社もおそらく古くから
地元民に大切に祀られてきたんじゃないかと思えますね~~

今は小綺麗な住宅街ですが
古いお寺もあるようなので、また訪れてみたいと思います♪

2022.1.18 姫松なつき

〈参考文献〉
●竹之内街道と金岡・長曽根探訪マップ
 (発行:堺市北区 2017年2月改訂)
https://www.city.sakai.lg.jp/kita/torikumi/machidukuritorikumi/machi/rekisi.files/kanaoka.pdf

●まほろば実見室
「長曽根神社」
http://web1.kcn.jp/antimony/niobium/frame.html?page=nagasonejinja.html

●神仏ネット
「牛頭天王」
https://shinto-bukkyo.net/shinto/kamisama/%E7%89%9B%E9%A0%AD%E5%A4%A9%E7%8E%8B/

●くらあし&ハウス 暮らしの知恵
「右と左どっちが上位?国内外で違うマナーの常識」
https://style.nikkei.com/article/DGXDZO51250830R00C13A2W05001/

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