一心寺 ~何万人もの遺骨でできた仏さん~

天王寺にある一心寺。
名前だけは聞いたことがありました。
学生時代は演劇部に所属しておりまして
(高専演劇部、究極の変人のつどい)、
何度か一心寺シアターに
観劇に行ったことがあるのです。

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てっきりただの舞台の名前だと思っていたのですが、
一心寺というお寺が経営しているんですね!
そしてこの一心寺というお寺・・・
1185年に法然さんによって開かれた
歴史あるお寺なんですね・・・
自分の無知さが情けないやら
恥ずかしいやら。

見どころはどこかしらと
事前に調べていると、
“骨仏”というものがあると知りました。

一心寺では、
宗派を問わず納骨を受け入れており
(※一部宗派は受け入れていないそうですが)、
その遺骨で仏を作っているのだとか。

正直、最初に思ったのは

「えええ・・・人骨のよせ集め・・・こわ・・・」

でした。ごめんなさい。
仏教を信じ、
仏を崇拝する方々からしたら、
自らが仏の一部になれるというのは
とてもありがたいことだと思います。
ご遺族の方も、
仏さんを拝みながら
故人にお参りすることもできる、
とても素敵なシステムですね。

で、でも、人骨・・・
(←言い方が悪い)

火葬した後の遺骨って真っ白だから、
骨仏も真っ白に輝いているのかしら・・・
10年ごとに集まった遺骨で
造立しているとのことで、
仏さん一つあたり15万体前後の遺骨が使われているそう。
平成29年に造立された一番新しい仏さんには、
なんと22万体の遺骨!
途方もない数字すぎて、
ちょっとイメージしにくいですね(汗)

そして実際に行って見た感想としては、

・・・普通。

もっと発光しているかと思ったのですが、
新しいものほどきれいではあるし白っぽいけど、
真っ白に輝いてる、
というわけではありませんでした。
(ネットで骨仏の画像検索したら、
真っ白にピカーッて写ってるのもあったのですが・・・
そんなんじゃなかった・・・)
それに、遺骨だけを集めて練り合わせて
形にしているのかと思ったら、
どうやらセメントと混ぜ込んで
型に流して固めてから彫り上げているようです。
まぁ・・・リン酸カルシウム(骨の主成分)粉末だけでは
固まらないよね・・・

遺骨で仏さんを造るというのは
前代未聞のことだったようですが、
最初に造立された明治20年以降、
今では160年以上の歴史があるしきたりとなりました。
全国各地どころか、
遠く海外からも一心寺のお骨沸にと納骨されているそうで、
その信仰習俗に対し、
平成17年には大阪市の無形民俗文化財にも
指定されています。

たくさんの人の想いや歴史が込められているお骨沸。
見た目はその他多くの仏像と違いないかもしれませんが、
ここにしかない特別な仏さんであることは間違いありません。

大切な人と一つのお墓に入るのもいいけれど、
いつか一つの仏の体になる・・・
というのも、ロマンがあるかもしれませんね。

2021.1.20 姫松なつき

参考文献:一心寺ホームページ(https://www.isshinji.or.jp/index.html)

 

 

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