ハイ、というわけで
前回に続き、大阪市は天王寺にあります堀越ほりこし神社のご紹介です~~◎

(前回⇒「ひと夢祈願で有名な堀越神社 ~ご祭神は、弑逆された唯一の天皇・・・~」)

そう、前回のタイトルにもありますとおり
堀越神社のご祭神である32代・崇峻すしゅん天皇は、長い長い天皇家の歴史の中でも、唯一弑逆された天皇・・・

当時大臣をしていた蘇我馬子そがのうまこのイケイケっぷりにカチンときて
うっかりポロッとつぶやいてしまった失言から暗殺されてしまった崇峻天皇

その御霊を鎮めるためだったのかどうなのか理由は定かではありませんが
神社の由緒には、「聖徳太子が、太子の叔父に当たる崇峻天皇の徳を偲んで」天王寺七宮の1つとして創建されたそうです

そんな崇峻天皇をお祀りする本殿がこちら

崇峻天皇の他、奥さんの小手姫おてひめ皇后と、息子の蜂子はちこ皇子、娘の錦代にしきで皇女もお祀りされています
崇峻ファミリーを祀る神社は、全国でもここだけではないでしょうか

境内はさほど広くはありませんが
木が鬱蒼としていて、ここは本当に天王寺かい?と思う雰囲気の中、見どころのある末社がいくつかあります

まず、本殿左側にある茶臼山ちゃうすやま稲荷神社

もとは、堀越神社の裏というか、西側にある茶臼山のてっぺんにあったとされる神社

大坂夏の陣のとき、家康さんが茶臼山稲荷の白狐に危機を救われたことがあったそうで、家康さんの信仰が厚かったといわれています

なんだかなぁ、つい、大阪贔屓しちゃうから、大坂の陣で家康さんが勝ったことがモヤっちゃうのよね・・・家康さんが勝ったから、江戸幕府ができてそのまま東京が首都になったやん・・・

でも、あびこ観音にしろ茶臼山稲荷神社にしろ、大阪の地でも家康さんは守られたのよね~
そういう運命だったんだねぇ・・・

(あびこ観音での家康さんエピソードはこちら
 ⇒「あびこ観音 ~日本最古の観世音菩薩の寺~」)

という、わたしの勝手な戯言はさておきまして

大坂夏の陣の後、茶臼山稲荷神社は現在の通り、堀越神社境内に祀られるようになりまして

徳川の時代、大阪城代が新たに任に就くと、茶臼山の家康陣所の後に敬意を表するのを例としたそうなのですが
その都度、堀越神社に詣でて供物を捧げ、灯籠を献じ、とにかく礼典に尽くしたと伝えられています

もちろん、お稲荷さんなので商売繁盛の神さんとして、古来より地域の人々の信仰も集めていた神社でございます◎

ところで

お稲荷さんの鳥居をくぐってお社のとこまで行くと、左にちょっと空間があって
そっぽ向いてる狛犬がいたんですよ

なんでこんな境内のはしっこもはしっこに
フェンスの外を見つめる狛犬がいるのだろうと思いましたら

昔は、こっち側にも入り口があったのです

境内の南側にあたるのですが
明治の中頃まで、境内の南沿いに美しい堀があったそうで
この堀を越えてお参りに来るということから、「堀越」という名前になったといわれているんですね

今はもう道すらない行き止まり状態ですが、残る狛犬だけが過去を知っている・・・という、ね
そう思うと、なんともロマン感じる後ろ姿じゃないですか・・・

さて、本殿より北側へ参りまして
まず注目すべきはご神木

樹齢500年の樹木ですって
大坂の陣も見てた木・・・

お参りに来てらしたご婦人に

「ここのご神木はパワースポットなのよ。パワーもらっておきなさいよ」

と声をかけられました

数々の落雷や大火災にも耐えたといいますから、気力が落ちた時、疲れた時、ご神木からパワーをいただくと良いのだそう

\パワーーーーー!!!/

・・・すみません、言いたかっただけです

ご神木の隣に寄り添うようにある社

太上神仙鎮宅霊符神だじょうしんせんちんたくれいふそんしんでございます
通称、「ちんたくさん」

・・・すみません、久しぶりの無知姫松です
ぜんっぜん聞いたこともありませんでした・・・

太上神仙鎮宅霊符と呼ばれる72種の護符があって
この霊符を司る神さんが、太上神仙鎮宅霊符神というんですね

八百万の神さんかというとちょっと違うようで
道蔵(道教の経典を集めたもの)の『太上秘法鎮宅霊符』が原典とされ、中世初期に伝来したものと考えられているそう

ドウ・・・キョウ・・・?
なんとなく聞いたことはある・・・気がする

ウィキペディアによると
仏教の影響もありぃの、儒教や陰陽五行の思想もありぃの、その他聞いたこともない諸々の思想がミックスされた宗教で、中国三大宗教の一つ(他の二つは儒教と仏教)

で、太上神仙鎮宅霊符神は、元来は道教の玄天上帝という神さんであると考えられているのですが
(この神さんも初耳だけど、中国では誰もが知ってる神さんらしい)
陰陽道に限らず仏教や神道の間でも広く受容されたそうです

というのも、玄天上帝は玄武(これは聞いたことある!四神のひとつで、北の方角を司る神獣)を人格神化したものであり、北斗北辰信仰の客体だったんですね
(北斗北辰信仰・・・北の空にひときわ輝き動かない星、北極星を「北辰」と呼び、宇宙の中心と考えていたもの)

これが日本へ伝来すると、妙見菩薩(北極星または北斗七星を神格化した仏教の天部の一つ)や天之御中主神あめのみなかぬしのかみ(日本神話において、いっちばん最初に世界を作った神さん)と習合して、星辰崇拝せいしんすうはい(太陽・月・星を、神秘的な力をもつものとして崇める思想・儀礼)に影響を与えていったのだそう

ンン・・・なんだか補足だらけで読みにくい文章になってしまいましたが・・・

つまりは、陰陽道において最高神とされる神さんなんですって
陰陽師って、護符を使ったり星を見て占ったりするものね

堀越神社で行われる節分や七夕などの星祭は、太上神仙鎮宅霊符神の家内安全&商売繁盛のお祭りで
(「鎮宅」という名の通り、家宅を鎮めるのが「ちんたくさん」の神効)
崇拝者には霊符が授符されるそうです◎

長くなってしまいましたが、次!

熊野第一王子之宮くまのだいいちおうじのみや

平安時代に、それはそれはにぎわった熊野詣
目的の熊野三山への巡拝の前に、熊野権現の分霊を祀った九十九の王子社を参っていくんですね
京の都から船で淀川を下って、上町台地へ上陸する天満の港に「第一王子之宮」はありました
第一王子之宮こそが熊野への出発点であり、まずここでお祓いを受けてから、熊野詣に出発したといわれています

その後、四天王寺の西門鳥居近くの熊野神社に鎮座していたと伝えられているそうですが
大正4年に堀越神社に合祀されたとのこと

いつか熊野詣してみたいなぁと思ったとき
わたしは大阪人だけど、あえて京都から京阪電車(さすがに舟ではない 笑)乗って天満まで行って、天満から天王寺へと場所は変わってしまったけれど、第一王子之宮へ参ってから熊野へ歩き始めたいですねぇ・・・

あと最後に、気になるのがこれ

かえる石

かえるの形をしてるから、「かえる石」
・・・かえるの形・・・か・・・?(シッ)

こちらは霊石で、柄杓で水をかけて祈願することで、失ったものがかえってくるご利益があるといわれています

失ったもの・・・
若さ・・・(さすがに無理や)

ハイ、というわけで、以上が堀越神社のご紹介でございました!

見どころ満載の堀越神社
ぜひ皆さまお参りくださいませ♪

2022.11.27 姫松なつき

〈参考文献〉

堀越神社ホームページ
●大阪の情報サイト We love 大阪
大阪最強のパワースポット【堀越神社】は一生に一度のお願いを叶えてくれる神社!
●星田妙見宮ホームページ
太上神仙鎮宅七十二霊符

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