去る8月15日、堺市は美原区にある法雲寺ほううんじさんでは、盂蘭盆会うらぼんえ万灯会まんどうえが行われました

(法雲寺さんについては過去の記事をご覧ください
 「法雲寺①」「法雲寺②」「法雲寺③」)

夕方から、境内に並べられた約1000基の灯籠に火が灯され、その様子は大変幻想的で
春のつつじ祭り以上のビッグイベント

これは行かねばなるまい!!!

と思ってたのに

お盆休み、普段全く流行になんて乗らないのに
見事に乗ってしまったのよ

コ ロ ナ(死)

病に伏して無病息災願いに行けんかったやん
どうしたらええんや(治ったけども)

今回、盂蘭盆会&万灯会の様子を撮影したものをお寺のおねーさんから頂戴したので、ぜひ皆さんもご覧ください
(そして来年への期待を膨らませましょうぞ・・・!)

あと、7月の半ばに境内の方丈ほうじょうという堂宇にて開催された「法雲寺文化教室」に参加した際、夏の境内の様子を見学してきたので、そちらもどうぞ★

***

っとその前に

盂蘭盆会って何かご存じですか

「お盆」っていう言葉は日本人なら誰しも知ってるワードですね
それのことです

旧暦の7月15日を中心に、13~16日に行われる仏教行事で
現代の日本ではほとんどの地域で、新暦の日付にあわせて1か月遅れの8月15日頃に行われます

「お盆にはお墓参り行ってご先祖さんに挨拶しやな」

って、常日頃別に信心深くなくても、習慣として残ってる人も多いんじゃないかしら

日本では、8月は暑いから学校が休み
っていうのは昔っからのことで

大人たちの短い夏休みも、子どもの夏休みの真ん中にあって

お盆休みが8月にあることは
正月が1月1日にあることと同じくらい
なんで?とも思うことなく過ごしてきた人がほとんどだと思いますが

8月15日(旧暦で7月15日)であることには、ちゃんと理由があるのですよ

盂蘭盆会は、「盂蘭盆経」という経典の中で説かれている、「親孝行の教え」に由来してるんですって

盂蘭盆という言葉は、元はサンスクリット語の「ウランバナ
そして、ウランバナの意味は「逆さ吊り

さ、逆さ吊り・・・!?
ご先祖さんを逆さ吊りすんのか・・・!?

と、早とちってはいけませんよ★

その昔、お釈迦さんのお弟子さんの中に、神通力に長けた目連もくれんさんという人がいて

自分の神通力を使って死んだママンの姿を見たところ
なんとママンは餓鬼の世界に堕ちていて逆さ吊りにされて苦しんでいるではありませんか!

なんとか救いたい!と思って食事や飲み物を神通力で送ってみても、目前で灰と化し、さらに凶器となってママンを苦しめてしまうことに・・・

どうしたらええんや・・・!とお釈迦さんに相談すると

「自分の力をマンマだけに使うんやなくて
 同じ苦しみを持つすべての人を救う気持ちが大事なんやで・・・」

と諭されました

仏教の世界では、たとえ肉親をどんなに大事に思っても、それだけに固執してたらダメなんですね・・・耳が痛いぜ・・・←

目連さんは、お釈迦さんのアドバイスをもとに、安居あんご(雨期に行われるお坊さんの修行)を追えた修行僧たちに、食べ物や飲み物や寝床を捧げたところ

「ありがたーい!うれしーい!ありがとう目連さん!!」

とめっちゃ喜んでもらえて
その喜びは餓鬼の世界まで伝わって、ひいては目連ママンが救われることになりましたとさ

ってね

この、安居が開ける日が解夏げげと呼ばれ、旧暦の7月15日というわけなのです

知らんかった!!!!!

日本では、仏教の「餓鬼道に堕ちた者を供養によって救う」という意味に加え
日本古来の祖霊信仰も相まって、親族が集まって先祖を供養する行事になっていったそうです
(ちなみに、盂蘭盆会発祥の地である中国をはじめとする中華圏においては、道教の教えと融合した行事が行われるよ☆)

日本で初めて盂蘭盆会が伝わったのは7世紀頃
最初は宮中の行事として行われていて、『日本書紀』にはその様子が記されています

聖武天皇の時代、733年以降は恒例の仏教行事として毎年供養が行われるようになり
その後貴族社会や武家社会にも広がり、鎌倉時代末期には民衆の間でも「祖先のために読経して供え物をする」という風習が広がったそう

というわけで、法雲寺さんの盂蘭盆会&万灯会の様子

広い境内に約1000基の灯籠が並べられたそうですよ・・・!

ご本尊の前にはたくさんの供物

人参やキュウリが見たことない積み上げ方されてるのには
意味があるのかな・・・?

赤青黄色、緑にピンク
そういえばお寺の行事ごとの際に飾られる五色の幕、あの色にも意味があるんですよね
脱線しすぎるのでここでは割愛いたしますが

南瓜のオレンジもまぶしいし、なんだかパーティーみたいに華やかだなぁ

本堂ではお経があげられていたそうですが
このお写真・・・シンバルみたいなの持ってらっしゃる

これは黄檗宗特有の楽器なのかい!?と思って調べてみたところ
わりとどの宗派でも、法要の際などで用いられるとのことで
妙鉢みょうはち」というんですってね

普段はお葬式とか法事で、自宅やどこかの会館にお坊さんに来てもらってお経あげてもらうくらいしか見たことないから、木魚とりん以外の楽器があることを知らなかったんだなぁ・・・

日が落ち、辺りが暗くなってくるとろうそくに火が灯され

やさしい灯りがぽわん

さらに暗くなってくると、まあキレイ・・・!

本堂も煌々とあかりが灯され、観音さまもライトアップ☆
(例のクレイジーな松も見えますね 笑)

わたしはまだ足を踏み入れたことがないのですが、本堂の裏手に墓地があり、そちらもろうそくがたくさん並べられて幻想的な雰囲気に

そうそう、黄檗宗のお経は唐音とうおんという中国語を基本とする読み方がされるので、日本の他の宗派とはちょっと違う風に聞こえるんですって

それも聞いてみたかったのですけどねぇ・・・また来年

***

さて、ここからは夏の昼間の法雲寺さんの風景をば
7月の写真なので、今はもう咲いてない花もあるとは思いますが・・・

夏、7月の法雲寺さんで見ごろとなる花は蓮

ただ、蓮の花って、朝に開いて昼には蕾に戻っちゃうんですね・・・
そのことを失念して、正午ごろに参ったため、満開の様子は見られませんでした(汗)

境内にはあちこちに蓮の池があって、探し回りました
蓮池探しとしても楽しめるお寺・・・(笑)

見つけた!!!

本堂の前にも!

六角堂の横に、一番大きな蓮の池があります
ここにたくさん咲いてたら、さぞ美しいでしょうねぇ・・・!

境内の隅っこに並べられた小さな蓮もかわいい!

こんな風に蓮探ししている間に、他にもいろんな植物を見つけました

夏のツツジの壁
奥に見えるのが山門
春には、山門入ったら両サイドにツツジが壁のように咲き乱れるのですが、この緑の壁も圧巻

花が咲いていなくても、なかなか渋くていいじゃありませんか

これはビワの木かしら・・・?
実は生るのかな
ビワ食べたいな←

これは何か実が生ってる!
柑橘類なのはわかるけど、7月に実が生る黄色い大きい柑橘って、なんだろう・・・?

この奥に見える、葉のでっかい南国風の木は・・・?
え、まさか、バナナ・・・?そんなばなな・・・←

そして極めつけがこちら

さ、サボテン・・・!

手作りのミニ温室で、しっかり温度管理されてる・・・すごい

他にも、写真撮り損ねましたが駐車場にはレモンの木もありましたし
わたしが名前の知らない植物もたくさんあると思います

もう・・・植物園できるやん
収穫祭とかおやりになればいいのに

最後に、今回も見つけてしまった新たなクレイジー松を

松に松が巻き付いているよ・・・!!!

今後の成長に目が離せませんね!?(笑)

さあ

どうぞ実際にお参りして
わたしが見つけた植物たちがどこにあるのか、ぜひ探索して答え合わせしてみてください(笑)

ただ、夏の法雲寺さんに訪れるなら、虫よけスプレーは必須ですよ★

2022.8.28 姫松なつき

〈参考文献〉
●いい仏壇
盂蘭盆会とは‐歴史と由来、風習、盆礼やお中元

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