大阪市は阿倍野区にあります阿倍野あべの神社

(大阪市阿倍野区北畠3-7-20)

南北朝時代、後醍醐ごだいご天皇に仕えて足利尊氏あしかがたかうじと戦った武士、北畠親房きたばたけちかふさ顕家あきいえ父子をお祀りする神社でございます

北畠親子と神社の由緒については前回の記事をお読みくださいまし
(「阿倍野神社①」)

住吉大社の方から北上するように歩いてきたわたしは、南の鳥居からお邪魔しました

帝塚山からこのあたりはお高級なお住宅がたくさんあって、とても楽しい←

鳥居をくぐってすぐ、由緒書きの隣に顕家さんの像がありました

『花将軍』というタイトルの歌が添えられていますが
調べてみたけど何もヒットせず・・・
(中国の映画出てきた(汗))

顕家さんはそれはそれは頭の良い美少年だったそう
21歳の若さで亡くなってしまいましたが、最後まで天皇に忠誠を尽くしていた姿から
「花将軍」と呼ばれたようですね

こちらが本殿

扉には北畠家の家紋である笹竜胆ささりんどうの紋が
(後に紹介する御朱印にも、笹竜胆の印が押されています◎)

ところで

こちらの本殿、横から裏側へぐるりと通れるようになっていて
御魂振之道みたまふりのみち」と呼ばれています

阿倍野神社ではお百度詣りの作法として

①まず本殿を参拝して
②本殿向かって右側にある「御魂振之道」を通って奥宮を参拝

(ちょうど本殿の裏にあたる場所に、奥宮(右に見える社)があります)

③神社で用意されてる「一願一遂」の神木に、願い事と名前を書いて
④神木とお百度のこより(百本一束)を持って、左側の「御魂振之道」から出る
⑤そしてまた本殿前のお百度石の前で本殿に向かって一礼して祈願
⑥左回りで振り返って、さらに後ろにあるお百度石に向かい、二つのお百度石を百回まわって

(お百度石が2つあるだよ)

⑦「一願一遂」の神木とお百度のこよりを奥宮の奉納箱に納めます

お百度詣りは、とにかく百回お参りするとか、100日かけてお参りするとか、100回にこだわらずとも自分が宣言した回数お参りするとか、色々な作法があります

阿倍野神社のお百度詣りの作法がこのように決まっているのには訳があってね

昭和20年3月14日のこと、大東亜戦争の戦火によって本殿が燃えてしまいまして
戦後の復興として、本殿のご祭神は同年12月に仮社殿へと奉納されたんですね

奥宮こと御魂振之宮には天照大御神あまてらすおおみかみ三輪大神みわおおかみ少彦名大神すくなひこなおおかみ菅原道真すがわらみちざね公が祀られているのですが
この神々も一緒に仮社殿へと祀られて、阿倍野神社復興成就の祈願がなされ、ご祭神の霊験あらたかなパワーによって昭和43年11月4日に本殿が復興したということで

戦後、当時の宮司さんや氏子崇敬者の方々が魂を振るい起こして社殿復興を一願一遂の願いとして記念してきたことから、御魂振之宮として社が建てられ、「一願一遂の宮」と呼ばれるようになりました

そういう経緯があって
皆さんも魂振るい起して一願一遂の願い叶えてくださいねという、お百度詣りのお作法なのでした

さて

本殿左手には摂末社がございます

まずはこちらの石の鳥居が二つ並んでいるところ

左側は祖霊社
歴代宮司さんや奉賛会会長、氏子総代や崇敬者の方々の御霊が祀られています

その右側がこちら、勲之宮いさおしのみや

南部師行なんぶもろゆきとその一族郎党108名が祀られています

全然聞いたことない人物なのですが・・・
この南部さんという人も、顕家さんとともに後醍醐天皇のために足利軍と戦い、色々と功績を治めたお方なのだとか

顕家さん軍VS足利尊氏軍の戦いの最後の最後
阿倍野・石津の戦いにおいて、顕家さん軍がボロボロに負け、顕家さん自身も死んでしまいます

南部さんは顕家さんの戦死の知らせを受けると
その時もはや南部さんと108人しか残っていなかったのに、最後の最後まで敵陣に斬りかかって、そして亡くなられたのです・・・

そんなエピソードもあって
現在はご本殿の一番側に、摂社として南部師行さんと108人がお祀りされているのです

勲之宮のお守りとして、仕事守がございます

南部家の家紋である「南部鶴」が描かれたお守りがあれば、南部さんのどこまでも仕事を遂行するぞというパワーが得られること間違いなし★

それからね
阿部王子神社境内のお稲荷さんがすごいので見てくれますか

しゅ、朱色が激しいっっっ・・・!
そのうえキツネがあっち向いたりこっち向いたりそっち向いたりヒ~~~

交差する鳥居
ちょっと迷路みないな感覚になる(汗)

 

旗上稲荷社はたあげいなりしゃという名で、ご祭神は豊受稲荷大神とようけいなりおおかみ高倉大明神たかくらだいみょうじん白鷹大明神しらたかだいみょうじんの3柱

お稲荷さんなので、五穀豊穣&商売繁盛のご利益がございます

「旗上」には、精進努力して成功をおさめて「一旗上げる」という意味があるそう

〈ひと旗あげて願い事 願かけ 旗上喜常はたあげきつね

というキャッチフレーズで
絵馬のように願い事を書き込むキツネさんがあるので、よろしければどうぞ
旗持っててかわいいのよ~

 

旗上芸能稲荷社というのもございまして
(それゆえに鳥居が交差するはめになってるのかな・・・?)

こちらのご祭神は大宮能売大神おおみやのめのおおかみといって、伏見稲荷大社の上社にもお祀りされている神さん
芸能上達の守護神として信仰されています

と、まぁこんな感じで
ぐるりとひとしきりお参りしてから、社務所へ行ってご朱印を頂戴しました

一般的な墨字に朱印のものと、月替わりのカラフルなご朱印(書置き)があります
(旗上稲荷神社のご朱印もあり◎)

最近インスタ映えにもなるオシャレなご朱印が増えてますよね~~

でも、わたしはやっぱりシンプルな方・・・が・・・


月替わりの方にしましたーーーーー←

つい★

わたしが参ったのは6月だったので、アジサイが描かれています

〈月と紫陽花と水鶏くいなと花吹雪〉がタイトル

限定御朱印は数年前からされているようですが
今年の3月からは花鳥風月をテーマに、令和5年2月まで連続性のあるご朱印になっているそうです◎

いくらご朱印が素敵だからといって、それだけを目当てに参るというのはダメですが
ぜひ、阿倍野神社にお参りの際は月替わりのご朱印もご覧になってみてください♪

2022.8.21 姫松なつき

〈参考文献〉
阿倍野神社ホームページ

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る