反正天皇 ~白い歯は美しい~

方違神社へ訪れた際に、
駐車場の向こうにちらりと見えた古墳は、
仁徳さんの息子さんの古墳でした。

仁徳天皇の次は履中天皇。
その次がこの古墳に眠る、反正天皇です。
履中さんの弟にあたります。

履中天皇が自分の息子に皇位を継がさず、
弟の反正天皇に皇位を譲ったのには、
兄弟間のもめごとが理由とされているようです。
そのもめごとというのが・・・

****

仁徳パパが崩御されたとき、
皇太子だった履中さんは、
奥さんになる予定の人を
弟の住吉仲皇子(すみよしのなかつみこ)に
迎えに行かせました。

住吉仲皇子は兄の婚約者を見てズッキュン。
「私が履中です」
と大ウソこいてニャンニャンしてしまいます。

しかしこれはヤバい、バレたらヤバい、
と思った住吉仲皇子。

――兄さん(履中)殺せば
オールオッケーじゃね?

というわけで、
履中さんのいた難波宮を燃やしてしまいます。

何も知らずにぐぅぐぅ寝ていた履中さんは、
側近が連れ出してくれたおかげで命拾い。
だけど実の弟に命を狙われたことに
大変ショックを受けました。

とにかく弟から逃げている最中、
もう一人の弟である瑞歯別皇子(みずはわけのみこ。後の反正さん)が
助けようとしてくれたのですが、
こいつも住吉仲皇子の仲間かもしれない、
と考えてしまいます。
そりゃあ疑心暗鬼にもなるよね。

「住吉仲皇子殺してくれたら会ってもいい」

と、履中さん。

瑞歯別皇子にはどちらも同じ母から生まれた大事なお兄ちゃん。
だけど悩みはすれど、
正しいのは履中の兄ちゃんだ!
と決意し、住吉仲皇子の暗殺を計画。

とはいえ自ら兄の命を取ることははばかられたのか、
まずは住吉仲皇子の側近を裏切るように仕向け、
住吉仲皇子を殺させました。
よしよしよくやった、ということで、
瑞歯別皇子はその側近に酒をふるまいつつ、
盃をあおった瞬間にそいつの首をはねました。

め・・・めでたし、めでたし。

****

ハイ。

住吉の神(神功皇后)に八幡神(応神天皇)に
日本一の古墳(仁徳天皇)という
マーベラスな家系ながら、
大昔の天皇家にはこういう兄弟間の
殺し合いもあったわけですね・・・

そんなこんなで、
瑞歯別皇子に恩を感じたのかして、
履中さんは皇位を息子ではなく
弟に譲ったわけでした。

ところで、
この“瑞歯”という名前には訳があるそうで、
どうやら、履中さんはもんのすごく歯が美しかったんだとか。
・・・歯のきれいさが名前になるって・・・
どんな名付け方やねん、
と思わなくはないですが(笑)

しかしそれ以上に、
ウィキペディア見てて
衝撃的なことがありました。

履中さんの身長・・・
9尺2寸半・・・

・・・3メートル越えてらっしゃいます(笑)
チェホンマンもびっくりやん(笑)

そして、その美しいという歯・・・
長さが1寸(3センチ)の
厚さが2分(4ミリ)とのこと。

・・・いや・・・え?(汗)
ちょっとしたビックリ人間・・・
だけど、これもさすが天皇家、
ということでしょうか・・・

『古事記』書いた人、
「履中さんは歯がきれいなイケメン!」
というのを伝えたくて、
少々オーバーに書いてしまったのかしら
・・・ねぇ(笑)

2021.3.2 姫松なつき
参考文献:Wikipedia(反正天皇)
『百舌鳥・古市古墳群ガイド』(発行者:宗形康)

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