宿院頓宮② ~絶対に水が溜まらない飯匙堀~
前回の記事では、住吉大社と宿院頓宮の関係から
住吉と堺の関係をご紹介しました
(「宿院頓宮①~堺と住吉の関係と、御渡り~」)
宿院頓宮は住吉大社の古くからの御旅所であり
毎年、住吉大社の夏祭りのときに
お神輿を住吉大社から宿院頓宮へと渡す
“御渡り”という行事が行われるということですが
宿院頓宮にお神輿が到着すると
境内にある飯匙堀という場所で
「荒和大祓神事」が執り行われるそうです
こちらが飯匙堀
ですが、鳥居の向こう側が見えなくて何のこっちゃですね
↑の写真は境外から見た図であり
境内側から見るとこんな感じ↓
え、空き地に岩がぽつんとあるだけ・・・
のように見えますが、この岩はご神体
そして空き地に見えるのは、飯匙堀の名の通り、堀です
写真じゃわかりにくいですが、四角の堀になっています
昔は飯匙(しゃもじ)の形に似ていたそうで
この名が付けられたと言われています
ところでこの堀、水が入っていません
たまたまこの日が枯れてたというわけではなく
この堀は常に枯れております
たとえ大雨が降ろうとも・・・ね
っていうと、なんかホラーみたいに聞こえますが
でもホントに、どんなに大雨が降ろうと台風が来ようと
水害が起こってもなお、ここには水が溜まることがないそうです
いや、わたしはこの目で確認したわけではないので
正直ホンマかいなって思うんですが・・・
ここは日本神話に出てくる、
海幸彦&山幸彦のお話で登場する
潮干珠が埋められた場所だそうです
海幸彦と山幸彦のお話は
「大海神社②~もしやこれは竜宮城!?~」
の記事をご覧ください◎
色々あって、山幸彦は海神から
「潮満珠」と「潮干珠」という2種類の珠をゲットします
前者は水が溢れんばかりに湧き出る珠で
後者はとにかく水が枯れる珠
この、とにかく水が乾く珠が埋められたのが
飯匙堀なんですって・・・!
だから、何があっても水が溜まらないそう
さて
住吉大社の神さんは古くから祓いの神さんと呼ばれていて
古来より国家の行事として、大祓の神事が
毎年6月と12月の年越しに行われてきました
6月の大祓が夏越の大祓といい、いわゆる夏祭りとして
伝承されてきました
現在では毎年8月1日に行われています
お神輿が住吉大社から宿院頓宮へ運ばれ
そして飯匙堀で行われる「荒和大祓神事」では
茅の輪をくぐり、人形に罪穢を託して祓具とともに
茅渟の海(大阪湾)へ流し、堺の平安を祈ります
もともとは、摂津・河内・和泉という
3つの国の大祓の意味がこめられていたそうなので
古くはそれはそれはもう、超ビッグイベントだったそうですよ
そうそう
堺には「堺大魚夜市」というビッグなお祭りが堺港で
毎年7月31日にありまして
(行ったことないけど、屋台がいっぱい出たり
音楽イベントみたいなのが行われたり
パーリーなピーポーがわんさか集まるお祭り、と思ってる)
これ、ただの夏のイベントだと思ってたのですが
これも、荒和大祓神事に通づるものなんですって
漁師たちが、神前に鮮魚を奉納して
その年の大漁や航海の安全を祈願するそうです
あまりにもパリピな空間は尻込みしてしまうのですが
せっかくなのでコロナが落ち着いて元通り開催されるようになったら
行ってみようかしら
現在の宿院頓宮は、正直なところ
小さな神社でいまひとつパッとしない雰囲気がありますが
住吉大社とのつながりが深く
また、堺の町にとって昔からとても重要な神域だったことがわかりました
っていうか
今でこそ小さい神社ですが
昭和36年に行われた堺の区画整理により今の広さになっただけで
それ以前は、東西に1丁半(およそ150m)、
5000坪もの敷地を有していたそうです!!
現在は、本殿がある部分と飯匙堀のある部分が
宿院頓宮の敷地とのこと
本殿と飯匙堀の間は小さな公園になっています
・・・どういう理由で必要な区画整理だったんでしょう・・・
宿院頓宮のすぐ南側には
謎にエスニックなラブ&ホテルもございまして
歴史ある場所と、無邪気な子供たちと、怪しげなホテルのコラボレーション・・・
いや、どんな区画整理・・・(笑)
あとそうだ、北を向いたら
亜熱帯のフェニックスが生えてるし
なんかちょっと、こう・・・
歴史ロマンに浸りきれない空間ではございますが(笑)
今年の夏にはぜひとも御渡りから荒和大祓神事の一連を
観に行ってみたいと思いますー!
皆さんもぜひ♪
2022.1.20 姫松なつき
〈参考文献〉
●宿院頓宮ホームページ
(https://shukuin-tongu.com/)
●ディープ大阪
「堺のパワースポット 住吉大社宿院頓宮の飯匙堀」
(https://naniwa.mobi/iigaibori.html)
●堺・南大阪の地域情報 つーる・ど・堺
雑記帳
「二柱の神が宿る宿院頓宮の謎(1)」
(http://toursakai.jp/zakki/2017/07/28_2477.html)
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。